誕生祭はなぜ4月?
桜前線にのって、ようやく春が訪れる、盛岡の4月。
おかげさまで川徳は創業160周年。この春、全館をあげての「川徳創業160周年誕生祭」が開催されます。
「あれ?」と眉をひそめた方、いらっしゃいますよね。
「創業祭は10月じゃない?毎年その時期に売出しをしているはず。」
まさに、その通り。毎年恒例の「川徳 大創業祭」は10月です。
実は、川徳には、4月の「誕生月」と10月の「創業月」という、二つの記念月が存在するのです。
「なんだか、ちょっと ややこしいわね。」
たしかにそう思いますよね。まるで、入籍した日と挙式した日が別で、どちらが結婚記念日か迷うような……。少し話がそれました。
しかしこれには、きちんとした理由があるのです。
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時は1866(慶応2)年。
元号「慶応」と言えば、まさに幕末クライマックス。江戸時代が最終シーズンに突入している頃です。
とはいえ、庶民の暮らしはまだまだ質素倹約が基本。呉服といえば新品ではなく古着が当たり前、庶民は商人が仕入れた木綿の古着を買うのが一般的でした。
そのため、裕福な農家の子弟は、盛岡城下に出て商人の道を目指すことが多かったのです。

初代・川村徳松氏もまさにその一人。
紫波郡の徳田村出身と伝えられる徳松氏は、盛岡の呉服町に奉公に出ます。
そこで呉服商としての商売を学んだ徳松氏は、1866(慶応2)年4月に盛岡の鉈屋町に移って独立。
屋号を「徳田屋」と称して古着や糸を扱うのでした。
この「徳田屋」こそが、川徳のはじまりとされています。そのため、4月が川徳の「誕生月」となるのです。
まさか後に百貨店の道をあゆむとは、さすがの初代もこの時は思っていなかったでしょう。

現在でも誕生月の4月になると、「桜花の会」が開催され、選りすぐりの逸品をご紹介しています。
もともと「桜花の会」は、ご愛顧いただいているお得意さまに、呉服を中心とした上質な品々をご案内する催しでした。
時代とともに姿を変え、今ではお得意さまはもとより、広く多くのお客さまに良いものをご紹介する会として親しまれています。
もちろん、「呉服」が大切な主役であることは変わりありません。
今年の桜花の会でも、7階では呉服催事『春の染織逸品展』が開催されます。


「春の染織逸品展」会場の随所には、何と本物の桜が飾られています。毎年会期中に綺麗に咲く桜を選定して活けるので、飾る桜の種類がいつも変わるのだそうです。
とっても素敵ですね!
はじまりの「徳田屋」は、当初は行商が主でした。呉服を背負い、岩手山を眺めつつ、満開の桜に「おお、今年も見事に咲いたなあ」と目をほころばせる初代の姿が、目に浮かびます。
160周年の節目となる今年は、誕生祭イベントや限定記念商品を取り揃え、皆さまをお待ちしています。
花咲きほこる季節、ぜひ「川徳創業160周年誕生祭」に足をお運びください。
川徳創業160周年記念「川徳歴史ミュージアム」
■4月17日(金)~21日(火) ※最終日午後5時終了
■7F/下りエスカレーター前特設会場
川徳が所蔵する貴重な史料やパネルを展示し、160年の歴史と文化を振り返る期間限定ミュージアムです。
店内案内担当の歴代制服やアネックスカワトクの思い出、記念商品の販売なども含め、多彩な内容で川徳の歩みをたどります。
■ 参考文献 川徳創業140年記念誌『奉仕こそわがつとめ』
*2007(平成19)年、川徳創業140年記念誌編集委員会/非売品







