いわてを描く、かお。

川徳創業160周年記念 村田林藏 日本画展によせて

桜花岩手山
「桜花岩手山」

村田林藏先生は、1954年岩手県稗貫郡大迫町(現花巻市大迫町)に生まれ、盛岡市立高校、東京藝術大学日本画科を卒業されました。東京藝術大学在学中は故平山郁夫先生の薫陶をうけられ、現在は日本美術院を中心に日本画壇でご活躍されています。

日本の美しい四季の移ろい、古都の風景、そして親子牛や羊といった動物をモチーフに描き続け、日本画の伝統的な画材である天然岩絵具や胡粉(ごふん)を用いて生み出される作品は、崇高で清澄な透明感に満ち、見る者を豊かな日本画の世界へと誘います。

1989年、故郷・岩手にて初の個展をギャラリーカワトクで開催して以来、先生の個展は約5年に一度、7階催事場でカワトクとして開催しており、先生との深いご縁を感じております。
また復興を願い故郷岩手にエールを送る「川徳 絆宝箱」の趣旨にもご賛同いただき、ご出品という形で温かいご支援をお寄せいただいております。

憩う
「憩う」1994年再興79回院展出品

先生の温厚なお人柄は作品にもあらわれており、「憩う」(1994年)の、親子牛が向ける優しいまなざしからもそれが伝わってきます。

穏やかで優しい先生ですが、内に秘める思いは強く、院展に入選されてからも、こつこつと実績を積み重ねられてきました。岩手人らしい、そのひたむきで実直な姿に自然と人が引き寄せられ、応援する周囲の方々も多かったとお聞きします。

また、真面目な先生だからこその面白いエピソードもあり、お住まいの鎌倉で、きれいだなと江の電の風景を何気なしに描いたところ、そのポストカードがびっくりするほどたくさん売れる…はて、これはどういうことだろうと不思議に思われたそうです。

もちろん、その風景とは、かのバスケ漫画で一躍有名になった風景。
知らずに首をかしげている先生の姿を想像するとつい笑みがこぼれてしまいます。

鎌倉高校前踏切
「鎌倉高校前踏切」

本展では画業50年の歩みとして、院展(日本美術院主催)入選作をはじめ、新作屏風「春爛漫盛岡城心象図」など、岩手の風景と日本の四季を描いた作品を一堂に展示します。さらに、岩手日報連載「いわて心の風景」や、27年間暮らす鎌倉の風景を描いた水彩画も特別展示いたします。

春爛漫盛岡城心象図
「春爛漫盛岡城心象図」四曲屏風

「春爛漫盛岡城心象図」 180×320cm 四曲屏風

「春爛漫盛岡城心象図」は、岩手山と往時の盛岡城が同じ空間に佇む―そんな夢想を、満開の桜が彩る春爛漫の情景として描いた作品です。
絵をよく眺めてみると、想像の盛岡城の向こう側に、どこかで見覚えのあるKマークがお目見えします。他にも見慣れた建物があちこちに…そんな遊び心あふれる仕掛けに、心が弾む作品です。過去と現在が重なり合う世界を、ゆっくり散策するようにお楽しみください。
またこちらの作品は、2015年から3年間、岩手日報紙上で連載された「いわて心の風景」のうち、2017年1月10日掲載「飛鶴盛岡城心象図」ともつながっており、北国が春を迎える喜びや寿ぎが一層伝わってきます。
故郷を離れていても、心にはいつも岩手の風景があり、ふるさとへの思いがあると先生は話されています。
これまでの感謝の気持ちを込めて描いたとおっしゃる先生の新作屏風、そして集大成ともいえる今回の大型展示を、この機会にぜひご高覧いただきますようご案内申し上げます。

川徳創業160周年記念
―画業50年のあゆみ、そして現在(いま)―
村田 林藏 日本画展

■5月21日(木)~26日(火)
■7F/催事場
※最終日午後5時終了

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